エンドゲーム後にここまでできるなんて 『スパイダーマンファー・フロム・ホーム』

正直に言うと「エンドゲームの前にやるべきなのでは」と思っていた。

だが鑑賞後は素直に「すまない」と謝罪するしかない。

 

『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』は『エンドゲーム』後にしか出来ない作品だ。

世界が『エンドゲーム』の熱から覚めようとしている時期で否応なしにMCUへの期待を更に高める傑作にだった。

 

エンドゲームで世界は大きく変わった。

劇中では世界がヒーローに救われ、トニーの死やキャップの喪失があった。

サノスに消滅させられた人々が戻るも5年と言う時差はとりもどせなかった。

戦いもインフレし、スーパーヒーロー一人では対応できない事態があるということを知らしめ、世界がかつてとは大きく変化した。

©2019 CTMG. © & ™ 2019 MARVEL.
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世界が変貌したのは劇中だけではない。

現実の世界も変貌した。

 

『エンドゲーム』は宇宙規模の戦いを綺麗まとめ上げ、尚且つMCUの11年を総括してしまう異常な作品だった。

そんな作品の後でスパイダーマンはMCUにどのような芽吹きを与えるのだろうか。世界が注目してしまう。

 

否応なしに『エンドゲーム』と同等のクオリティを世界が求めてしまうのだ。

あの作品を見る前と後では世界の期待が変わってしまった。

 

『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』はしんみりとしたMCUの空気を一変させ明るい方向へと導いた。

これまでのMCUにはあまり見られなかった青春映画のような初々しい空気を醸し出し、ピーターの青臭さ溢れる雰囲気も恋に悩む高校生らしさを醸し出していた。

作劇は異様なまでに明るく、偉大なヒーローの死を乗り越え前に進もうとするMCUの強い決意を感じた。

 

ミステリオとエレメンタルズの存在も『エンドゲーム』で極限まで高まってしまった戦闘力インフレをものともしない一大スペクタクルになっていた。

劇中で何度か『アベンジャーズ級の脅威』と言及されており、製作陣もシリーズのインフレを理解していたのだろう。

インフレに応えるだけの激しい戦いと映像になっており、エンドゲーム後にここまで期待を超えてくる作品に出来るのかと驚嘆したほどだ。

 

本作はあまりにもハイクオリティだ。ミステリオの存在は現代社会を風刺し、スーパーヒーロー映画の根底を揺るがしかねないほどだ。

そんな危険な綱渡りすらも果敢に挑んでしまうマーベルの手腕は見事というしかない。

 

エンドゲームで世界が悲しみに包まれたがピーター・パーカーは親愛なる隣人そのものとなり、世界の観客に寄添い「前に進め」と力強いメッセージを伝えてきた。

ピーターがトニー・スタークの姿と重なる場面もあり、彼が新世代を率いる重要な存在になると確信させられた。

 

この作品は『エンドゲーム』の後でなければ作れなかった。

世界を一変させた作品に比肩するクオリティを見せ「マーベルはまだやれる、前に進む」と強烈に訴えかけた。

新世代を作っていく決意を見せる重要な作品だ。

『インフィニティ・サーガ』の完結編は『エンドゲーム』ではなく『スパイダーマン』だ。

 

ここまで出来るのか、ここまで描けてしまうのか。

MCUから目が離せなくなった。

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