『シティーハンター史上最香りのミッション』感想 魅力、そして理想の一本

シティーハンターといえばジャッキーチェン主演で実写化された過去を持つが、今回はフランスで行われた。

監督のフィリップ・ラショーが筋金入りのファンであり、主演も務めたという。

公開前から日本のファンの間ではキャラの再現度が高いと話題になっていた。

ものの、実はシティーハンターは全く知らない。漫画もアニメも見たことがない。

なんだか評判がいい。そんな感じで良く分からないまま鑑賞しに行ったが、これは面白かった。

 

謎の組織が香りだけで相手を惚れさせることができる魔法のような香水を狙っている。

魔の手から香水を守るため冴羽りょうに白羽の矢が立つ。

そんなシンプルな物語だ。

 

物語は冒頭からアクションで見せる。フランス映画とはこうもレベルが高いのかと衝撃を受けるキレのあるアクションが展開される。

シリアルなアクションではなくユーモアに満ちた演出で笑いが止まらなくなるほどだ。

コメディ要素もアクションのテンポを削ぐことはなく融和が完璧に行われている。

冒頭のアクションで完全に惹きこまれてしまった。

 

原作やアニメ鑑賞者向けなファンムービーではなく、しっかりと説明するところは行っているがテンポを悪化させないていどにとどまっている。

最低限の説明が行われているおかげで、私のような初見でもキャラクターの関係や背景もしっかりと理解でき物語への没入度が増すことになった。

冴羽りょうは普段はスケベで頼りなさそうだ。パンティやブラに恍惚とする場面も原作そのままのようだが、嫌悪感を抱くような演出はされていない。そんな場面もどことなくクールに感じさせてしまう。

そんなスケベな彼もアクションシーンでは緩さが消え失せ、頼れる男に変貌する。別人のように凛々しさを感じさせ、演技力の高さを感じさせた。

 

シリアスな場面のアクションは緊張感を漂わせつつも冒頭シーンのようにどこか緩さを残している。全編通して緩急の使い方がうまく、見ていて楽しい気分になれる作品だ。

アクションシーンも画面がごちゃごちゃして見辛くなることはなく、ダイナミックながらも洗練された映像だ。

かなりよく出来ている。オリジナルを知らなくても十分に楽しむことができるのに、知らない人でも原作への愛を感じるほどだ。
原作ファンなら満足に足る作品だと思える。

 

悔しいことはオリジナルを知らないこと。知っていればさらに楽しめただろう。その悔しさが募るほど完成度は高い。

実写版が漫画、アニメ版への入門になるとは日本漫画では稀有な事例が発生してしまった。しかもハリウッドではなくフランスからというのも面白い。

実写版の決定版が誕生したのではなかろうか。

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